NEWSの6人時代の曲の中でも特に思い入れがある楽曲の1つに『share』がある。6人時代のNEWSが、6人で作詞作曲した歌。NEWSだから、この6人だから作れる歌だと思った。嵐じゃなくて関ジャニ∞じゃなくてKAT-TUNじゃなくてNEWSだから作れる、NEWSだけの歌だと本気で思った。
すれ違いゆく風の中で僕らはなぜ出会えたんだろう
同じ星が今見えるなら 僕らはただそれだけでいい
無理に一つにならずに 分かりあえない日はそのままでいい
一人一人が持つ色だから鮮やかなマーブル描けばいい
P亮シゲの3人が好きだった。ビビって敬語のシゲと、そんなシゲを可愛がるP様と亮ちゃん。少しずつ距離が縮まっていくのをリアルタイムで見れたのは僥倖だったと今でも思う。大野くんと松潤とか、横山くんと大倉くんとは全然違うけど、でもNEWSのメンバーにはNEWSのメンバーの関係性があって、私はそれが好きだった。
好きだった。本当に。敬語でも、混ざりあえなくても、1つじゃなくてもほかのグループと絆のあり方が違っても、私にとってそれはNEWSの個性だし他との大切な差異だった。それは私にとって紛れもなく、NEWSの好きな部分の1つだった。
今もあの頃の歌が好きだし、今でも6人のNEWSが好きだ。でも、あの頃みたいには好きじゃない。それでいいしそれがいいって言えたのは、たとえ他と違ってもそれがNEWSの形だと思えたからだった。上手くいってないんでも関係が築けてないんでもなくて、それがNEWSなりのあり方だと思えたからそこを好きでいられた。今でも好きだし見て懐かしむこともあるし全てが嘘だとは今も思っていないけれど、でもあの頃と同じ気持ちで愛することはもう出来ない。だって結局壊れてしまった。私が好きだったものが本当にNEWSなりの形だったのか、それともただの破綻の予兆だったのか、今ではもう分からない。
好きだったはずの時間を否定された気になるのはとてもしんどい。見ていたもの、愛していたものが本当はあの時はもうとっくに駄目になっていたんじゃないか、自分が愛したものなんか本当は最初から存在しなかったんじゃないかって、そう思ってしまうのはとてもむなしい。もしかしたら、「もう見れない」という形で未来を奪われるより、「好きだと思っていたものは幻に過ぎなかった」のだと思わされて過去を奪われる方が辛いことさえあるかもしれない。
6人のNEWSのことを私にそう思わせたのは、他でもない6人のNEWSだ。私からNEWSを奪ったのはNEWS自身だった。
NEWSの皆の人生を何より狂わせたもの。ファンが何より怯えたもの。最年少となった手越さんが成人した時、同い年の加藤さんと2人でお祝いしたことに勝手に特別な意味を見出していた。
未成年飲酒って言葉、大嫌いだ。どうしてこんなことで未来を失わければならないんだろうって、だって大したことじゃないのに。どうせお酒なんかみんな飲むのに勝手に飲むのに飲ませるのに、芸能人にとってだけあまりに代償が大きくて大嫌いだ。
でも、それが禁止されていることにはきちんと意味があって、それは紛れもなくこの社会のルールで、そして何よりそれがもたらすものを誰より分かっているのがNEWSだと思っていた。私たちが怖がるのと同じように怖がってくれると、避けてくれると、勝手に信じていた。あのとき形振り構わずしがみついたんじゃん。自分の居場所として残したんじゃん。ステージに立つ資格と引き換えにできるほどの楽しみなんてあったのかよ。なあ、ないって言えよ。言ってよ。
少し話は変わるけれど、アイドルの恋愛を悲しいとか嫌とか思う気持ちの構成要素には、私の場合間違いなく「アイドルとしての自分より恋愛を取られた気がして悲しい」がある。自分の立場を危うくするほどの価値をそれに見出されたことが、と言うよりもっと正確には、アイドルであることにそれと天秤に掛けられる程度の思いしか持ってくれていなかったことが悲しい。
そんなに簡単な話じゃない。それだけが全てなわけじゃない。だから今まではそこまで気にならなかった。誰の何も全部、正直別にどうでもよかった。アイドルは私を看取ってくれないし、私はアイドルを看取れない。アイドルの人生はアイドルのもので、私の人生は私のものだ。嫌な気持ちが全くないと言ったら嘘になるけど、恋愛しないでほしいと言うのはもっと嘘だった。人間としての人生をちゃんと生きて、ちゃんと幸せに死んでほしいから。
今回も私は怒ってはいないのだと思う。怒るとかそういう話じゃない。
ただ「ああそうなんだ」と思う。感覚として分かる。複数人でお酒を飲むこと、盛り上がることは別にそう悪いもんでもない。ジャニオタの私は傷ついてるけど、一般人の私はどうしてもそれを忌むべき圧倒的な絶対悪だとは感じられない。絶対悪じゃない、みんなやってる。私も好きだ。でも、でもNEWSのメンバーにだけはやってほしくなかった。もう2度とお酒で失敗なんてしてほしくなかった。だってしょうがないじゃないか。1度や2度なら許されるかもしれない。牽制球を投げられてもギリギリセーフかもしれない。でもそうじゃないじゃん。そうじゃないグループだって分かってるでしょ。当人達が誰よりも1番身に染みて、分かってるでしょ。違ったのかよ。
違ったね、そっか。喉元過ぎたら熱さ忘れちゃうんだね。こっちはまだまだ火傷痕残ってるけど違うんだね。そっかぁ。
してしまったことが消えないのと同じように、してくれたことも消えない。見せてくれたたくさんの素敵なもの、素敵な言葉、大好きな気持ち、全部消えない。私は今日もNEWSが好きだ。
好きだよほんとに。でも私多分、今回のこと許さないと思う。許せないと思う。6人のNEWSを6人のNEWS自身に奪われたのを今でも許せないのと同じように、多分いつまでも今回のこと許せない。好きでいる限り永遠に。ねえ私まだ信じてるよ。あなたたちのアイドルでいることへの執着を、決意を、みっともなさを。でもいつか思うのかもしれないね。NEWSなりの良さとかNEWSなりの絆とか、そんな風に良いように良いように捉えてたの間違いだったなあって。信じたものなんて最初から存在しなかったんだなあって、いつか思わされるのかもしれないね。怒ってないのに許せないの変だね。なんなんだろうねこれ。
結局のところ、私の好きな人を私から奪えるのは私の好きな人自身なのだ。よくよく知っていた。それこそ身に染みて知っているはずだった。そして私の好きな人たちは、残念ながらあと1枚イエローカードが出たら退場させられかねないような、あと1球危険球を投げたら退場させられかねないような、そういう人たちだ。
986日々 だから今があって やっと叶えたこの 4合わせ
冷めていた あの頃の声 ごめんね もう二度と泣かさない
私からあなたを奪うのはあなただ。あなたに奪われるなら仕方ない。諦める以外何もできない。本当はいつまでもずっと、あの頃『share』を聴いていたのと同じような気持ちで『愛言葉』を聴いていたかった。ねえ、まだ好きだよ。きっと明日も明後日も好き。でもね、いつかなくしちゃうのかなあって、いつかまた奪われるのかなあって、多分しばらく忘れらんないや。
忘れらんねえよ。忘れられるわけねえだろ。でも君たちは忘れられるのかもしれないね。それでもきっと好きだけど。ねえ嬉しい?私あなたたちのこと大好きだよ。