英雄は歌わない

世界で一番顔が好き

信じている、ということ/私と小山慶一郎さんの話


NEWSのLIVE TOUR、Neverlandの福岡公演に行ってきた。会場に着いてはしゃいで、ライブは楽しくて、増田さんの前髪と示談に至って*1、とにかくとにかく楽しかった。

福岡初日、スクリーンに小山さんが映し出された1番最初の瞬間、大歓声が上がった。それはもちろん他のメンバーの時もそうだったし、今までだってそうだった。メンバーがスクリーンに映る、客席が沸く。いつも通りの当たり前だ。
当たり前なのに、なんだかすごく嬉しくてすごくほっとして、同時に少しおかしかった。

あ、私、小山慶一郎さんのことこんなに想ってるんだ。

って思った。
今日の昼公演でも「慶ちゃん映って歓声あがってるね」「嬉しいね!」って話してる方がいて、結構みんなそんな気持ちだったのかもしれない。でも、他ならぬ自分がそういう風に感じたことが実は意外だった。今回、小山さんのソロ曲でぼろぼろ泣いて、涙が滲むとかじゃなくてもうほんとに普通に泣いてそれにもびっくりして、小山さんが愛しいんだなあと実感した。
特にコンサートの感想というわけではないけれど(すぐ忘れる鳥頭だからほんとはコンサートの感想書いた方がいいんだけどw)、私と小山さんについて少しだけ話をさせてほしい。


・俺が信じるお前が信じるあいつを信じる
天元突破グレンラガンという作品に「お前が信じる俺が信じるお前を信じろ」という名言があるのだが、私にとって小山さんはずっとそういう意味で「信じている」存在だった。
私がNEWSを好きになった頃、小山さんはやたらチャラチャラしたお兄さんだった。一生関わりそうもない人種に見えたし、絶対仲良くなれないタイプだという確信さえあった。テレビでもホストのコール芸みたいな合いの手を披露してたりして、ビジュアルも喋り方も文章も何もかもが私のストライクゾーンから大きく外れた人だった。
ずるくてチャラくて甘い匂いがしそうなお兄さん。それが私にとっての小山慶一郎だった。

でも、それでも私は、小山さんを嫌いだとか好きじゃないとか思ったことは1回もなかったのだ。
私にとって「分からない」の極地にいた小山さんを、誰より好きで誰より信じていたのが「分かる」の極地にいた加藤さんだった。性格が好きで、文章が好きで、私にとってNEWSの主人公だった加藤さんが小山さんを大好きだから。ずっと連絡を取って誰よりも一緒にいて相思相愛を公言していたから。


シゲが小山のことこんなに好きなんだから、小山もきっといい奴なんだなあ。


髪型が好みじゃないとか顔が好みじゃないとか音楽の趣味が合わないとかは気にしたってしょうがないことで、アイドルとして好きかと言われたらそれは違ったけど私は小山さんを信じていた。
むしろ、加藤さんを通して小山さんを信じることで、夢を増幅させてすらいたのかもしれない。
ずるくてチャラくて怖いお兄さん、すごく年上ですごく大人。加藤さんの中に「小山に置いてかれたくない」って気持ちが見えただけ、「小山はすんごく大人なんだ」「小山は遠いところで生きてるんだ」って思ってた。不思議なことに今でもあの頃の映像の中の小山さんは「お兄さん」に見える。今の自分とはもう同年代なのに、いつまでも「シゲに追いかけられてたお兄さん」「シゲより大人なお兄さん」て感覚が抜けていかない。
9歳違うからね、そりゃあ当然随分お兄さんなんだけどね。(そもそもほぼ同年代なだけであって、私はまだNEWSを好きになった当時の小山さんの年齢に追いついてすらいないw)


ネオンが似合う、黒いスーツでシャツのボタンを沢山開けて、馬鹿みたいに色落ちした明るい茶髪のずるい大人。加藤さんの、大切な人。

 

・翼がもげても地を這いずって
2011年4月。山下くんと錦戸くんがNEWSメンバーに脱退を告げた日。あの日、小山さんと加藤さんの翼はもげた。アイドルグループを1つの生き物にたとえるなら、NEWSの両翼は間違いなくP亮だった。追いつけない焦燥と同じ立場の仲間がいる事実に安心しあっていたコヤシゲは、あれから死にものぐるいでNEWSを守った。だってNEWSを守らなかったら、他の場所なんて2人にはなかったから。行くところなんて1つもないから、翼がもげて地を這うことしか出来なくても、どんなに泥に塗れても、それが「NEWS」に「泥を塗る」ことを意味するかもしれなくても、NEWSを選ぶしかなかった。

NEWSのリーダーになった小山さん。天然な面が押し出されるようになって、ピュアで真面目で可愛い慶ちゃんになった小山さん。
その意志を、決意を、私は信じた。

小山さんは自分にとってのNEWSでいれることの重大さを痛いほど知っている人だ。NEWSを守る意味を、NEWSでいる意味を誰より知っている。NEWSでいるためならどんなことでもしよう、何としてでもNEWSでいなければ、と思っている人だ。
それは、純粋なグループ愛とは少し違う。
ファンのためとか悲しませたくないとか、それだけじゃない。もちろんそれもあるだろうけど、何よりも自分のため。絶対にNEWSを続けるんだ足掻くんだ、それが自分の活路だ、と小山さんが決意しているから、私にとってNEWSの意志は小山さんだ。打算も賢さも愛も必死さもある小山さんだからこそ信じた。
この人が、あの小山さんがこんなにも決意しているんだから大丈夫。小山さんの意志がある限り、絶対にNEWSは大丈夫だ。そういう風に信じられた。

小山さんのピュアなところや可愛いところばかりが取り上げられるのが本当は少し寂しかった。でもそんなことを言うのは無粋だし、チャラさやずるさを愛していたつもりでもなかったから別に言おうとは思わなかった。
良いけど、まあいいけど、小山さんてそれだけの人じゃないよね。それだけじゃない小山さんを、打算が出来る小山さんをこそ、信じてるよ。

 

・降り積もったものにいつか名前をつけるなら
「アンチや叩きや愚痴垢を見る時には必ず反対の立場の人も見ること」というマイルールがあって、今回それを守るのが面倒くさそうだったので小山さんのあれこれをそこまであまり見ていない。ただ、見ていないなりに二宮さんのこととかもあってわりと色々考えてはいた。小山さん個人が云々というよりはアイドルという存在に対して色々。
小山さんへのあれそれについては、正直あまり傷つかなかった。見た数が少ないので全員がそうだとは言い切れないが、私が見た限りではこいつら単に元々小山さんが好きじゃなかっただけだな、と思ったから。元々好きじゃなかっただけの癖に大義名分得たみたいに生き生きしちゃって馬鹿だなーで終わった。と、思っていた。

会場で小山さんに上がる歓声をきいた瞬間、本当に安心した。小山さんを好きな人がたくさんいる、ここはちゃんと小山さんのホームだ、と分かったことがとても嬉しかった。

ああそうか、私、なんか言ってる人のこと「自分と同じNEWSファン」ってあんまり思ってなかったんだな。なんかもうどうでもいいよそ者だと思ってた。
でも本当は違う。狭い狭いコミュニティにしか広まらなかったあの件で鬼の首を取ったように騒いでいた人たちは、この会場のどこにいたっておかしくないNEWSファンだ。それが、目に見えて分かるところにはいなかった。会場いっぱいちゃんとメンバー全員への愛に溢れていた。
私の信じる人が恥も外聞もかなぐり捨てて守った場所はちゃんと、私の信じる人の居場所だった。それが本当に心から嬉しくて、自分で自分にびっくりした。


裏切られたって言葉を見て、何が?って思った。手越さんが、増田さんが、加藤さんが変わったのと同じくらい小山さんも変わって、同じくらい変わってないだけじゃん。好きな人が出来たら仲間うちで報告しあって進捗も共有してって言うあの感じも昔のままじゃん。女の趣味だってずっとこんなんじゃん(死ぬほど趣味合わねえなとは思うけど)。
そう思う自分はやっぱり小山さんは小山さんのままだとどっかで思ってて、そういう風に考えてる私は斜に構え過ぎかなあとも思ってた。
でもなんか、そうじゃないのかもしれない。

ずるくてチャラくて、1人の大人としてNEWSを選んだ人。打算が出来る賢くて馬鹿な人。
私はあなたを信じている。 加藤成亮越しじゃなくても、顔も性格も好みじゃないあなたを。 あなたのずるさを、みっともなさを、賢さを、決意を、私が見てきた通りのあなたを。
この信頼を単純に「好き」と呼ぶことはきっと出来ないけれど、あなたの居場所がちゃんとここにあることがこんなにも嬉しい。
信じてる、心とあたまの全部であなたを。ああもしかしたら、この信頼も愛と呼んでもいいのかなあ。

*1:私は過激前髪原理主義者です